子供の口から何の気なしに耳に入ってきた詩。

「雑草」大関松三郎

誰だろうと、調べてみると世の中に出る前に、昭和19年12月19日、南シナ海にて乗っていた輸送船が魚雷攻撃を受けて沈没、戦死した人でした。

 


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おれは雑草になりたくないな

だれからもきらわれ

芽をだしても すぐひっこぬかれてしまう

やっと なっぱのかげにかくれて 大きくなったと思っても

ちょこっと こっそり咲かせた花がみつかれば

すぐ「こいつめ」と ひっこぬかれてしまうだれからもきらわれ

だれからもにくまれ

たいひの山につみこまれて くさっていく

おれは こんな雑草になりたくないな

しかし どこから種がとんでくるんか

取っても 取ってもよくもまあ たえないものだ

かわいがられている野菜なんかより

よっぽど丈夫な根っこをはって生えてくる雑草

強い雑草

強くて にくまれもんの雑草

大関松三郎

 

 

18歳の若さで戦死した大関松三郎さん。

この年で、これだけ心を打たれる詩を書けるとは、凄いですね。

もし生きていたらどれだけの詩を書いたのだろうと、その若い死が惜しまれます。

 

嫌われ者の雑草になりたくない。

でも、その嫌われ者は可愛がられている野菜よりもとてもタフだ。

どんな扱いをされても、それでも強く生きようとする雑草。

なりたくない、なりたくない、と言いながら憧れすら思わせる詩です。

 

俺も雑草にはなりたくないなぁ、と心から同調しました。

やっぱり、雑草よりもきれいな花や美味しい野菜がいいですから。

 

でも、雑草のような人こそ本当に人間らしいのかもしれませんね。

 

それでは。