日本銀行が12日に発表した7月の企業物価指数(2010年平均=100、速報値)は前 年同月比4・3%増の106.6で、16ヶ月連続で前年を上回った。消費増税分を除いた指数は103.7で、前年同月比の伸び率は1.5%だった。(円安 の逆効果による物価上昇が裏の真の姿。)
 この指数は、企業間で取引される商品価格の動きを示す。電気料金や原油価格が上がって「電力・都市ガス・水道」や「石油・石炭製品」が値上がりしたことが大きく影響した。
 一方で、「製材・木製品」などでは前年同月比の伸び率が鈍化しており、「住宅関連業種では、消費増税による駆込需要の反動減からの回復が、企業の予想よりも遅れている」(調査統計局)という。


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前月比では、
国内企業物価は、前月比+0.3%(前年比+4.3%)。夏季電力料金調整後では、前月比+0.1%。上昇要因では電力・都市ガスの寄与度0.21 %で最高、下降要因では豚肉、精米、鶏卵の寄与度-0.06 %で最大となっている。
輸出物価は、契約通貨ベースで前月比+0.1%、円ベースで同▲0.1%(前年比+0.7%)。
輸入物価は、契約通貨ベースで前月比+0.1%、円ベースで同▲0.2%(前年比+2.8%)となっている。

8月の日銀月報では、
実質輸出は、弱めの動きとなっている。実質輸出は、前期比でみて、昨年10~12 月に増加したが、1~3月および4~6月は小幅のマイナスを続けた。足もとの動きを前月比でみると、4月は増加したが、5月は減少し、6月も微減となった。輸出が新年度入り後も勢いを欠いている背景としては、ASEAN諸国の一部などわが国との関係が深い新興国経済のもたつきが挙げられる。
また、駆け込み需要に伴う国内向け出荷優先の動きは概ね収束したとみられるが、寒波等の影響を受けた1~3月の米国経済の減速が予想以上に大きかったことや、本年にかけて自動車メーカーを中心に海外生産を拡大する動きが相次いだことが、ラグを伴いつつ、輸出の下押し要因として作用している。
以上、

輸出企業の海外生産増により、円安効果も一巡してきている中、期待した輸出がなかなか伸びないと吐露している。
公金や制度改革であの手この手で株価ばかりを下支えしたとしても、実体経済への寄与度は僅か。世界経済が全体で浮揚するのを待つしかない。世界の大経済圏は、アメリカ・欧州・中国であり、中国は無政策ゆえに生産キャパを広げすぎ、不動産バブルも収束中、消費まで落ち込んでいる。欧州経済が活性化しない限り、中国経済の今後の拡大は見込めそうにない。アメリカはシェールガス革命もあり回復途上であるが、世界経済を牽引するには力不足、一国だけでは限界となっている。
日本も含め、経済の上昇は、欧州経済の復活でしか見込めないが、政治ではウクライナ問題を抱え、経済に悪化要因を新たに生み出している。フランスでは、6月まで失業率が過去最悪を更新中とのニュースも流れている。

スペイン等、IMF=アメリカ主導の国家経済立て直しの緊縮財政策は、それまで、破綻寸前の国家は既に緊縮しており、更なる強烈な緊縮がIMFから求められ、よほど、世界経済が上昇していない限り、雇用は悪化し、内需も悪化するのは必然、立ち直ることはできない。世界経済が好調ならば、ギリシャ・スペイン・ポルトガル・イタリアなど破綻寸前まで追い込まれもしないだろうが。
欧州経済が立ち直らない限り、このままの世界経済が長期間続き、日本がお得意とする東南アジアも一進一退の動きとなる。

2013年の世界のGDP/10億USドル
地域・国
GDP
シエア
 
欧 州
18,241
24.7%
東欧・北欧含
アメリカ
16,799
22.7%
 
中 国
9,181
12.4%
欧米中日計↓
日 本
4,901
6.6%
66.4%
その他
24,860
33.6%
 
合 計
73,982
 
2014年IMF版