
大石賢吾知事の『政治資金問題』を巡って開催された長崎県議会・全員協議会(全協)での大倉聡県議の発言の一部について、長崎県医師会の会長であり、県医師信用組合(森崎正幸理事長)が、大倉聡県議に発言の撤回を求める抗議文を提出していたことが、長崎新聞で報じられていた。
長崎新聞の記事を読むと、森崎氏は大倉県議の『(発言に)事実に基づかない内容が含まれ、当組合の名誉を著しく毀損された』としているようだ。

大倉聡県議は10日の全協で、2022年2月の知事選時に大石氏が同組合から借入れた2000万円について質問、大石氏が同組合の『多目的フリーローン』で即日融資を受けたと推測し、『理事長の判断で融資も簡単におりてしまう可能性がある』などと発言している。大石氏は『適切に申請を行い、適切に処理をしてもらった』と、いつもの惚けた調子で答えていた。
同組合は抗議文で『(融資の種類は)フリーローンではない。』と反論、常務理事会で審議し、適切な手続きを経て決済したとして『理事長の独断で融資はできない。』
と主張している。
『当組合への直接の取材は一切なく、公の場で、事実を明らかに誤認した発言は到底看過できない。』と批判し、発言の撤回や議事録からの削除などを求めている。

それに対し、大倉聡県議は、2月19日、長崎県医師会・森崎正幸会長、徳永達也議長宛に『回答書』を送付、提出している。
大倉県議は2月19日の『回答書』で、全協での質問の趣旨について丁寧に回答している。
回答書については2月19日の『大倉さとし 長崎県議会 無所属』のX(旧Twitter)にもポストされているママを紹介させて頂きます。
長崎県医師信用組合の理事長から長崎県議会議長宛に届いた私への「抗議文」に対する「回答書」を本日、議長へ提出しました。私は自分の正義を貫きたい。なにより正しい県政を遅滞なく前に進めていきたいと思っています。 pic.twitter.com/okz5ciXiTS— 大倉さとし 長崎県議会議員 無所属 (@satomaru1233) February 19, 2025
長崎県医師信用組合の理事長から長崎県議会議長宛に届いた私への『抗議文』に対する『回答書』を本日、議長へ提出しました。
私は自分の正義を貫きたい。なにより正しい県政を遅滞なく前に進めていきたいと思っています。
回 答 書
長崎県議会議長
徳永達也 殿
謹啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
先般、貴殿から抗議文を賜りましたので、私の考えを以下に述べさせて頂きます。
まず、今回の全員協議会で私が質問した貴長崎県医師信用組合の2,000万円融資に関して、その質問趣旨をお示しします。事実として大石知事は貴信用組合から2,000万円を借り自己資金として選挙費用とした。その2,000万円をほぼ使い切ったにもかかわらず、収支報告書へ架空貸付となる2,000万円の記載がなされたのではないかという疑義があります。
しかし大石知事は二重計上だったとして、当時の認識に対してもあやふやな答弁を繰り返しています。当時、異例の融資を受けたにもかかわらず、覚えていないはずがありません。また、貴信用組合からの融資がなければ選挙も戦えていない。もっと言えば架空貸付疑惑すらなかったわけです。今回の問題の根源が2,000万円の融資です。そして、その融資そのものへの疑惑も生じているため、全員協議会で質問を行った次第です。
『取材が一切なく』という根拠に関するご指摘ですが、取材源の秘匿の視点から詳細には申しあげませんが、貴信用組合内部の方からの情報提供や、貴殿が参考人として出席した総務委員会集中審査で『(大石知事に)借金させたのは私です。』等の貴殿の発言を根拠に様々に状況証拠を積み上げた結果、県医師信用組合の理事長であり県医師会の会長、さらには大石知事の後援会会長でもある貴殿が、その権限の下に融資実行がなされた可能性が否定できないため、その疑義を質したものです。
信用組合法1条では、その目的について、『協同組織による金融業務の健全な運営を確保し、預金者その他の債権者及び出資者の利益を保護すること』と、規定されており、貴信用組合の経営理念、経営方針に照らしても、特定の候補者への選挙活動のための融資が実行されるということは、組合内部でいかなる手続きとったとしても、凡そ許容されないことだと思います。
にもかかわらず、知事候補者のために2,000万円もの多額の融資が口座開設から即日実行されたことに疑いの目が向けられているのです。
2022年1月14日、保証人と大石氏が貴信用組合に赴き、口座を開設し借用書に押印、融資が実行されました。
そして大石氏の個人口座に入金され、即日後援会に振り込まれています。
長崎県知事選1ヶ月前のことです。無担保融資です。とうてい慎重に審議されたとは言い難い状況です。
どのように稟議と決済が行われたのか、つまびらかに説明すべきではないでしょうか。
貴殿は『常務理事会似て慎重に審議し、適正な手続きを経て決済しており、理事長の独断で融資はできません。』としていますが、10月28日の総務委員会集中審査では『大石氏に借金させたのは私』と発言しており『理事長の独断で融資はできません』の記述との整合性がとれません。
たとえ常務理事会において同調されたとしても、何らかの力が働いたのではないか、忖度があったのではないか。その疑義を質問するのは行政監視のチェック機能を果たす長崎県議会議員として当然の役目です。仮に大石氏がもし落選していた場合、組合員に多大な不利益を生じさせる恐れもあったリスクある2,000万円の融資です。組合員の利益を第一に考えるという信用組合の理念からも逸脱しているのではないでしょうか。
また、多目的ローンとフリーローンの名称に関して事実誤認と指摘しておられますが、私が問題提起している本来の趣旨と取り違えていらっしゃるようです。
私は関連する疑義として、どんなローンなのか推測しながら質問しており、問題の部分はローンの上限額がなぜ、大石氏の融資後に、元々制度化されていたはずの限度額1,000万円が、最大2,000万円に引き上げられたのか、という部分です。極めて疑義が残ります。
貴殿の抗議文には、多目的ローンとフリーローンに関して『今回の融資はそのどちらでもありません。』と記述してあります。これは、さらに大きな問題ではないでしょうか?
つまり本来、貴信用組合の制度として予定されているローンではない特別の融資を行ったということになります。
それは、さらに大きな疑惑を生むものと言わざるを得ません。
なお、郷原信郎弁護士によれば、今回の全員協議会での私の質問後、貴殿からの抗議文をいただいた後にご相談申し上げましたが、私の質問は、貴県医師信用組合の名誉を棄損するものではなく、むしろ、貴殿が県議会議長宛に出された私への抗議文の方が、全く理由がなく理解し難いとの見解を示されております。
その旨を併せて付言しておきます。
以上、私からの回答書となりますがご高覧ください。よろしくお願い申し上げます。
謹白
2025年2月19日
長崎県議会議員
大倉聡
う~ん、この大倉県議の回答書は流石であり、御尤もである。さ~これに対し、ロシアン森崎がどう反撃して来るか、乞うご期待である。
谷川弥一、金子原二郎的、独裁政治と、ロシアン森崎による県議会への言論封殺が今後どのように展開されていくのか、また、今後、長崎県議会が行政監視のチェック機関として、健全に機能していくのか、長崎県議会への言論封殺こそ県議会政治の危機である。
JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次
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